神戸 旧居留地の近代建築-2

あいおいニッセイ同和損保神戸ビル(旧神戸海上火災保険ビル)

竣工以来、入居者・用途が変わらず使い続けられている「あいおいニッセイ同和損保神戸ビル(旧神戸海上火災保険ビル)」(地図

設計は長谷部竹腰建築事務所(長谷部鋭吉氏・竹腰健造氏)、竣工は1935年です。

1~3階に続くアーチ状の開口部がこのビルのファサードのデザインを特徴づけています。

この写真からはわかりませんが、北側のファサード(写真手前)はリズム感のある開口部の配置となっています。

とはいえ、事務所建築ということもあって、全体的に装飾は控えめです。

旧居留地38番館(旧ナショナル・シティバンク神戸支店)

神戸大丸南一号館として利用されている「旧居留地38番館(旧ナショナル・シティバンク神戸支店)」(地図

設計はウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏(ヴォーリズ建築事務所)、竣工は1929年です。

建物正面の4本のイオニア式オーダー、重々しい石積みの外観等々...

ヴォーリズ氏の作品としては珍しく新古典主義的な重厚感を感じさせる作品です。

もちろん、これは銀行建築ということを意識してのことでしょう。

銀泉神戸ビル(旧神戸住友ビル)

今はもう解体され現存しない「銀泉神戸ビル(旧神戸住友ビル)」(地図

設計は長谷部竹腰建築事務所(長谷部鋭吉氏・竹腰健造氏)、竣工は1934年、2014年解体。

アラベスク風の幾何学模様の装飾とロマネスク風の半円アーチを組み合わせ、細かな格子状の窓を持ってくるなど...

当時の銀行建築ではまず見かけない、異国の宗教施設を思わせる独特の雰囲気と存在感を持つ建物でした。

地下鉄みなと元町駅

旧居留地から西に少し離れますが...

神戸市営地下鉄海岸線の駅「地下鉄みなと元町駅」(地図)の地上1番出入口です。

阪神大震災で大きなダメージを受けた「旧第一銀行神戸支店」(辰野金吾氏設計、1908年竣工)の南・西面の外壁のみが利用されています。

赤いレンガと白い御影石のコンビネーションは...

「辰野式」と呼ばれるほど辰野氏が多用したデザインです。

神戸 海岸通の近代建築-1

神戸市立博物館と旧居留地15番館に挟まれた道を南に進み...

チャータードビル(旧チャータード銀行神戸支店)

海岸通に出て東側の建物が「チャータードビル(旧チャータード銀行神戸支店)」(地図

設計はジェイ・ヒル・モーガン氏、竣工は1938年です。

現在は商業ビルとして利用されていますが、建物正面のイオニア式のオーダーが、銀行建築の面影を残しています。

銀行ロビーだった空間はカフェとして利用されていて、驚きのレトロな空間を体験できます。

神港ビルヂング(旧川崎汽船本社ビル)

チャータードビルの西側、海岸通に面して建つ「神港ビルヂング(旧川崎汽船本社ビル)」(地図

設計は木下益次郎氏、竣工は1939年です。

チャータードビルの一年後の竣工ですが、モダニズムの影響を大きく受けていることがわかります。

屋上東南角の塔屋は、美しいアール・デコ風の装飾で、このビルを特徴づけています。

通りの他の近代建築と比較すると、地味な印象を受けてしまいますが、時代を反映したデザインです。

商船三井ビルディング

神港ビルヂングから海岸通を西に1ブロック。「商船三井ビルディング(旧大阪商船神戸支店)」(地図

設計は渡辺節氏、竣工は1922年です。

外壁にテラコッタ、内装にはプラスターを多用した7階建てのオフィス・ビル。

旧居留地、海岸通沿いに残る近代建築の中でも最も優美な建物です。

デザインだけでなく、設備面でも、エレベータ、暖房設備など最新設備が取り入れられています。

オフィス・ビルとして以降のお手本になった作品です。

台北の日本人建築家の作品「台湾銀行本行ビル(旧台湾銀行本店)」

台湾総統府の北側に建つ「台湾銀行本行ビル(旧台湾銀行本店)」(地図

設計は日本国内でも多くの銀行建築を手掛けた西村好時氏、竣工は1938年。

台湾銀行本行ビル(旧台湾銀行本店)

現在も竣工時の姿が、ほぼ残されているそうです。

木村拓哉氏などが出演したドラマ「華麗なる一族」では、阪神銀行本店の社員が働くシーンのロケが行われました。

台湾銀行本行ビル(旧台湾銀行本店)

日本では、この作品が竣工した1938年頃となると...

不景気や戦争の影響で、意匠性の高い石や煉瓦造りの建物が建てにくくなってきた時期です。

台湾銀行本行ビル(旧台湾銀行本店)

恐らく、日本の建築家が関わった近代建築の歴史の最終章を飾る建築作品の一つでしょう。

台北の日本人建築家の作品「国立台湾博物館土地銀行展示館(日本勧業銀行台北支店)」

国立台湾博物館の道路を挟んで北側に建つ「国立台湾博物館土地銀行展示館」(地図

前「土地銀行」、旧「日本勧業銀行台北支店」だった建物です。

国立台湾博物館土地銀行展示館

設計は日本勧業銀行建築課、竣工は1933年。

2006年に修復工事が行われ、2010年に博物館としてリニューアル・オープンいたしました。

国立台湾博物館土地銀行展示館

列柱の並ぶ古典主義的なデザインと、台湾の建物によくある庇付の通路、

さらに日本的な意匠とが融合した大変興味深い作品です。

国立台湾博物館土地銀行展示館

また、構造、設備、材料等々にも当時の最新の技術・技法がつぎ込まれたそうです。

建物そのものが歴史であり、博物館の展示作品だと言っても過言ではないでしょう。

住友財閥の総本店として建設された「旧住友ビルディング」

淀屋橋と肥後橋の間、土佐堀通に面して建つ「三井住友銀行大阪本店(旧住友ビルディング)」(地図

三井住友銀行大阪本店(旧住友ビルディング)

設計は日建設計の前身、住友合資会社(日高胖氏・長谷部鋭吉氏・竹腰健造氏)。

竣工は第1期北側1926年、第2期南側1930年です。

三井住友銀行大阪本店(旧住友ビルディング)

この辺りは、「住友村」と呼ばれるエリアで、住友財閥の総本店として建設された建物です。

この建物を建設するために、住友家が建築家を集めたことが日建設計の始まりです。

三井住友銀行大阪本店(旧住友ビルディング)

外観は控えめながら重厚感・存在感を感じさせるデザインは...

当時の建築家の哲学、力量を感じさせます。

三井住友銀行大阪本店(旧住友ビルディング)

エントランスのオーダーはイオニア式で、内部はコリント式オーダーが並びます。

社会人になりたての頃にこちらで口座を開設しましたが...

豪華な内装に囲まれると、単なる事務手続きの時間でも優雅な気持ちなれます。

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